第72回 パラダイス文書、守秘はどこへ(橘玲の世界は損得勘定)
鳴り物入りで報道が始まったパラダイス文書だが、エリザベス女王やロス米商務長官の名前が出たもののその後は失速気味だ。 日本では鳩山元総理や有名マンガ家の関与が報じられたが、記事を読むと、名誉会長に就任した香港の上場企業がた…
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続きを読む →日本企業の労働分配率が43.5%に低下し、1971年以来46年ぶりの低水準になったという。その一方で内部留保は増えつづけ、2016年末で375兆円と過去最高を更新した。これを見て、「企業は内部留保を取り崩して賃上げすべき…
続きを読む →意見のちがうひと同士が折り合うのはむずかしい。「エスカレーターにどう乗るのが正しいか」という、ささいなことでもこれは同じだ。 かつては、エスカレーターは立って乗るもので、急ぐひとは階段を使うのがふつうだった。それが変わっ…
続きを読む →*この記事は「日経ヴェリタス」7月23日号に掲載されました。7月27日に連合は高度プロフェッショナル制度への「条件付容認」を撤回しましたが論旨に変更はありません。 「残業代ゼロ法案」のレッテルを貼られてバッシングされてき…
続きを読む →アメリカは「超格差社会」だといわている。それがどのような社会なのか、具体的なデータで見てみよう(1ドル=110円で換算/端数は四捨五入)。 まずは所得の比較。アメリカの世帯数は1億6500万で、下位90%の1億5000万…
続きを読む →日本の税制は属地主義なので、日本国外に暮らすひと(非居住者)が海外で保有する財産を贈与・相続しても原則として課税されない。課税権が居住国にあるのだから当然ともいえるが、贈与税や相続税のない国が存在するとやっかいな問題を引…
続きを読む →安倍政権と経団連の肝煎りでプレミアムフライデーが始まった。給料日後の月末の金曜日には午後3時で仕事を終え、夕方を家族や恋人、友人たちとの消費(食事や買い物)に充てるのだという。評判の悪い長時間労働を是正し「働き方改革」を…
続きを読む →月刊『文藝春秋』2016年12月号に掲載された「私は安楽死で逝きたい」で、脚本家の橋田寿賀子さんは、認知症の兆しがあればスイスで最期を迎えたいと語る。欧米ではオランダ、ベルギー、ルクセンブルクなどで安楽死が合法化されてい…
続きを読む →来年度予算案の編成が混沌としている。子育てや教育、雇用などで求められている政策は多いが、消費税増税の再延期で財源がなくなり、さらには税収が予想より落ち込んで、逆に予算の減額が必要になったからだ。 年金制度改革では、物価が…
続きを読む →地球温暖化の影響からか世界的に台風が大型化し、今年は日本各地で大きな被害が出た。それに加えて熊本を中心に大地震が起き、いまも避難生活を余儀なくされているひとたちがいる。 東日本大震災で明らかになったように、被災者の生活再…
続きを読む →映画『シン・ゴジラ』が観客動員500万人を超える大ヒットを記録している。話題を集める理由はいろいろあるだろうが、いちばんの要因は、ようやくリアリティのあるゴジラ映画の条件が整ったことだろう。 ゴジラ第1作の公開は1954…
続きを読む →日本を訪れた中国人観光客が感銘を受けるのは車の運転マナーだという。いちばんの驚きは、歩行者が青信号で横断歩道を渡っているとき、日本では車が止まることだ。 なにを当たり前のことを、と思うのは中国に行ったことがないひとだろう…
続きを読む →イギリスのEU離脱でロンドンの金融街シティの地盤沈下が懸念されている。大手金融機関のなかには、EU圏でのビジネスを優先しフランクフルトやパリに本社移転を検討するところもあるようだ。シティが金融機関が集まるたんなる一区画な…
続きを読む →話題のパナマ文書にはやくも「大山鳴動して鼠一匹」の雰囲気が漂いはじめている。アイスランドの首相が辞任したり、イギリスの首相が国会で窮地に立たされたあたりまでは盛り上がったものの、そのあとがまったく続かないのだ。日本ではけ…
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