国家権力は市場に介入できるか

法学と経済学は日本のアカデミズムではまったく別の学問として扱われているが、法律の目的を社会の厚生を最大化することだと考えれば、法(とりわけ民法や経済法)の根拠は経済合理性にあり、法律家はミクロ経済学やゲーム理論等の知見を…

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こんな日本になったらいいな

年明けに明るい話題を、とのご注文を受けて、2005年に書いた「日本がリバタリアン国家になったら」をアップします。これはウォルター・ブロックの『不道徳教育-擁護できないものを擁護する』を翻訳した際の解説の一部で、来月、『不…

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アメリカはなぜ銃社会なのか?

「市場の倫理と統治の倫理」につづいて、『残酷な世界~』の未公開原稿をアップします。 ナッシュ均衡は、いろいろな社会現象を読み解くときに、知っておくととても便利な道具です。ここではナッシュ均衡を使って、「アメリカはなぜ銃社…

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沖縄をタックスヘイヴンに(3)

ここでは、多くの反響があった「沖縄をタックスヘイヴンに」と「沖縄をタックスヘイヴンに(2)」に関して、みなさまからいただいた疑問にこたえてみたいと思います。 (1)そもそもどうやって沖縄が自治権を獲得するのか? これは当…

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日本人はなぜ自殺するのか?

日本では、毎年3万人を超えるひとたちが自らの意思で死を選んでいる。これは、「市場原理主義」による改革により、日本人の安心が奪われてしまったからだと説明される。 だが国際的な自殺率の比較を見ると、日本の自殺率(10万人あた…

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「貧困ビジネス」を擁護する

「簡単にお金を儲ける方法はありませんか?」と聞かれることがある。たいていは「そんな都合のいいことは無理ですよ」と常識的にこたえるのだけど、実は世の中にタナボタみたいな話はけっこう転がっている。それらはたいてい、制度の歪み…

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ニューヨークのホームレス

日本全国には約3万人のホームレスがいると推定されている。ニューヨーク市にはそれを上回る3万7000人のホームレスがいるが、旅行者がその姿を見かけることはあまりない。彼らは公園や河原のダンボールハウスに住んでもいないし、残…

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沖縄をタックスヘイヴンに

明日、沖縄県知事選が告示される(28日投開票)。今回は民主党が候補者の擁立を断念したので、米軍普天間基地の県外移設を求める現職と、国外移設を求める前宜野湾市長の争いになるのだという。 しかしこの議論は、(いつものように)…

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日本人は中国人に謝罪すべきか(3)

サンデル教授は「先祖の罪を償うべきか」という道徳的な問いを立てたが、国家を法人と考えるならば、「償う」べき主体は国民一人ひとり(個人)ではなく、法人の代表権者(日本では内閣総理大臣)となるだろう。 では次に、「誰に対して…

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日本人は中国人に謝罪すべきか(2)

ヒトは社会的な動物なので、私たちは生得的に、ひとの集団を「ひと」と見なすようにプログラムされて生まれてくる。 近代的な市民社会は自由と自己責任を原則とする市民(個人)によって構成されるが、実態としては、さまざまなひとの集…

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日本人は中国人に謝罪すべきか(1)

「リバタリアニズムとコミュニタリアニズム」というエントリを書いた時に、サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう』(これは素晴らしい本だ)を読んでいて、もうちょっとちがう議論ができるんじゃないかと感じたことを思い出し…

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