日本人は中国人に謝罪すべきか(3)

サンデル教授は「先祖の罪を償うべきか」という道徳的な問いを立てたが、国家を法人と考えるならば、「償う」べき主体は国民一人ひとり(個人)ではなく、法人の代表権者(日本では内閣総理大臣)となるだろう。 では次に、「誰に対して…

続きを読む →

日本人は中国人に謝罪すべきか(2)

ヒトは社会的な動物なので、私たちは生得的に、ひとの集団を「ひと」と見なすようにプログラムされて生まれてくる。 近代的な市民社会は自由と自己責任を原則とする市民(個人)によって構成されるが、実態としては、さまざまなひとの集…

続きを読む →

日本人は中国人に謝罪すべきか(1)

「リバタリアニズムとコミュニタリアニズム」というエントリを書いた時に、サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう』(これは素晴らしい本だ)を読んでいて、もうちょっとちがう議論ができるんじゃないかと感じたことを思い出し…

続きを読む →

遺伝子決定論?

『残酷な世界~』は、幸いなことに、多くの方に読んでいただけているようです(ありがとうございます)。 作品の評価はもちろん読者の自由なのですが、レビューを見ていると、「遺伝子決定論」という表現が目についてちょっと気になりま…

続きを読む →

認知症と安楽死問題

発売中の月刊『文藝春秋』11月号に、「医療の常識を疑え」という特集の1本として、「月10万円で完全介護 海外老人ホームで死ぬ選択」というルポを書いている。フィリピンに移住した日本人高齢者を取材した記事だが、日本の介護事情…

続きを読む →

自殺志願者に安楽死を

フランスの片田舎に住む20歳の青年ヴァンサンは交通事故で重症を負い、9カ月の昏睡状態に陥った。意識が回復した時、彼の全身は麻痺し、唯一、親指だけがわずかに動いた。ヴァンサンは親指を使って、愛する母親と会話を交わすようにな…

続きを読む →

伽藍の世界

伽藍からバザールへという話を、「どうしたら革命を起こせますか?」で書いた。 『残酷な世界~』で述べたけれど、伽藍(閉鎖空間)とバザール(開放空間)ではゲームのルールが違う。 バザールは参入も退出も自由だから、相手に悪い評…

続きを読む →

どうしたら革命を起こせますか?

Q 素朴な疑問なのですが、日本の政治体制はもうずっと前から利権がらみの問題が指摘されているにもかかわらず、全くと言っていいほど変化することはありません。与党が自民→民主となった現在でもそれは変わらないようです。 自分なり…

続きを読む →

日本は破産するのでしょうか?

Q日本は経済破綻するのでしょうか? もしそうなら、いったいどうすればいいのでしょうか? 日本の国と地方を合わせた財政赤字は1000兆円を超える空前の規模になり、さらには「人類史上未曾有」の超高齢化社会が確実にやってきます…

続きを読む →

未公開文章(おまけ)

「リバタリアニズムとコミュニタリアニズム」で市場と倫理と統治の倫理の話をしましたが、そのことを『残酷な世界~』の第1稿で書いていたことを思い出しました。もともと現在の1.5倍くらいの分量があったのですが、読みやすいように…

続きを読む →