ヒトは社会的な動物なので、私たちは生得的に、ひとの集団を「ひと」と見なすようにプログラムされて生まれてくる。
近代的な市民社会は自由と自己責任を原則とする市民(個人)によって構成されるが、実態としては、さまざまなひとの集団が協調したり対立したりして社会を動かしている。ひとの集団をいっさい認めず、すべてを個人に還元してしまうと、社会を適切に管理・運営できなくなるのだ。
こうした矛盾を回避するための方策として考え出された便利なアイデアが、ひとの集団にも法的な人格を認める「法人」だ。私たちの社会でもっとも馴染みのある法人は会社で、その権利や義務は会社法で規定されている。 続きを読む →