文庫『言ってはいけない中国の真実』が発売されました


新潮文庫より『言ってはいけない中国の真実』が発売されました。文庫化にあたって、13章「「超未来社会」に向かう中国」を加筆しました。 Kindle版も改定されています。

出版社の許可を得て文庫版前書きを掲載します。

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本書は2015年3月にダイヤモンド社から発売された『橘玲の中国私論』を文庫化したものだ。文庫化にあたって本文の修正は最低限にとどめ、そのかわりに親本の発売以降の変化を踏まえた13章を追加した。

私がはじめて中国を訪れたのは20年ちかく前で、当時は上海の中心部でも古い町並みが残っていた。それから中国を何度も訪れ、満州から内モンゴル、チベット、新疆ウイグル自治区まで旅行ガイドブックに紹介されているような場所はほぼすべて旅した。

その時期は「奇跡の高度経済成長」の真っただ中で、訪れるたびに驚きとともにその変貌を眺めていたのだが、それはやがて別の驚きにとってかわった。あらゆるところでゴーストタウン(鬼城)を目にするようになったのだ。「この巨大な隣国でいったいなにが起きているのだろう」と興味をもって調べてみたのが、このちょっと長い本になった。

とはいえ、私は中国の専門家ではないから、ここで書いたことの多くは内外の研究者・ジャーナリストに負っている。3年後の現在でも本文にほとんど手を加える必要がないのは、私に先見の明があるからではなく、本書で紹介した専門家たちの知見が優れているからだ。

親本が出てから、ヨーロッパは難民問題とテロの恐怖に揺れ、イギリスは国民投票でEUからの離脱を選択し、アメリカではトランプ政権が誕生した。どれも現代史を画する大事件で、私はもちろんそれらをまったく予見できなかったが、中国に関してはもはや大きな驚きはなかった。この本で書いたことが、たんたんと進行しているからだろう。

その意味で本書は中国社会についての「原理的」な説明であり、留学やビジネス、あるいは観光でこの「不思議な隣人」と触れ合い、私と同じ疑問を抱いたひとにはきっと役に立つだろう。

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1件のコメント

  1. いくら本が売りたいからといって、

    例のネタ本「言ってはいけない」
    の題名を別の本(中国私論)にかぶせるのは
    やりすぎでは?

    「中国私論」の「鬼城」は、
    かつて日本で数多く造られた政府や自治体の
    「ハコモノ行政」を連想させ、
    (グリーンピアやかんぽの宿、自治体の豪華庁舎等)

    「失われた20年」の
    苦痛を大陸にも味わってもらおう

    というやや右よりな日本人(私もそう!)に消費されてきました。

    ところが、中国共産党政府は
    日本のバブル崩壊とそのあとの失われた20年をキチンと学んでおり、

    「意外とシタタカ」では?

    というのが私の感想ですよ。

    香港特別行政区 (国際貿易の橋頭堡)
    マカオ特別行政区(国際裏金の橋頭堡)
    をきちんと残しているのです。

    カジノ法案で一進一退している日本とは比べ物にならないでしょ。

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