「貧困ビジネス」を擁護する

「簡単にお金を儲ける方法はありませんか?」と聞かれることがある。たいていは「そんな都合のいいことは無理ですよ」と常識的にこたえるのだけど、実は世の中にタナボタみたいな話はけっこう転がっている。それらはたいてい、制度の歪みから生じる。

「ニューヨークのホームレス」で貧困ビジネスのことを書いたのは、6年前の2004年だ。でも私はそれよりずっと前に、知り合いの精神科医からこの新しい商売のことを聞いていた。空き家になっているアパートの家主が地元のヤクザと結託して、ホームレスに部屋を貸して生活保護を申請するケースが出てきて、福祉事務所が困惑しているという話だった。 続きを読む →

沖縄をタックスヘイヴンに(2)

「沖縄をタックスヘイヴンに」のエントリーに、予想外の反響があった。政策にかかわるひとたちも読んでくれているようなので、これが荒唐無稽な話ではないことをもうすこし説明してみたい。

私の提案は、沖縄にジャージーやガーンジーのような自治権を与えることだ。とはいえ、ほとんどのひとはチャネル諸島なんかに行ったことがないだろう。

ジャージー島は伊豆大島くらいの大きさで、人口は約9万人、1人当たりGDPは56,000ドル。首都セント・ヘリアはこんなところだ。 続きを読む →

ニューヨークのホームレス

日本全国には約3万人のホームレスがいると推定されている。ニューヨーク市にはそれを上回る3万7000人のホームレスがいるが、旅行者がその姿を見かけることはあまりない。彼らは公園や河原のダンボールハウスに住んでもいないし、残飯を漁ることもない。 続きを読む →