武富士元会長長男に対する巨額追徴訴訟の最高裁判決が今週末に予定されているので、この興味深い訴訟を理解するためのポイントを2回に分けて解説する。
第1回は、裁判の争点である税法上の居住者と非居住者についてだ。
事件の概要
長男は97年から香港に移住し、99年にオランダ法人が保有する武富士株1600億円相当を贈与された。当時、日本の税法は受贈者(長男)が日本国の非居住者である場合、贈与税は非課税としており、長男側はそれを根拠に申告・納税していなかった*。だが国税当局は実態基準に照らして長男を非居住者と認めず、約1300億円の追徴課税処分を課し、長男側はこれを不服として東京地方裁判所に提訴した。 続きを読む →