ギリシアがドイツの「戦争責任」を問題にするのはなぜ? 週刊プレイボーイ連載(188)
ギリシアのチプラス政権がドイツに対し、第二次世界大戦の占領で被った損害1620億ユーロ(約22兆円)の賠償を要求しています。それに対してドイツは、「賠償問題はすべて解決済み」と拒否しました。 この報道に、なんかヘンだと思…
続きを読む →「週刊プレイボーイ」の連載コラムを、編集部の許可を得て週遅れで全文公開。この連載は集英社より「理由があるシリーズ」として書籍化もされています。
ギリシアのチプラス政権がドイツに対し、第二次世界大戦の占領で被った損害1620億ユーロ(約22兆円)の賠償を要求しています。それに対してドイツは、「賠償問題はすべて解決済み」と拒否しました。 この報道に、なんかヘンだと思…
続きを読む →農水相の辞任以来、「政治とカネ」をめぐって国会の紛糾が続いています。 問題とされたのは、国の補助金を交付された会社から献金を受けていたことです。補助金の原資は税金ですから、これを認めれば、政治家は好きなように税金を私物化…
続きを読む →トマ・ピケティの『21世紀の資本』が経済書としては異例のベストセラーになったことで、また「格差」をめぐる議論がにぎやかになってきました。 ある大学では、4万人を対象に、親の年収や学歴を合成した指標(家庭の社会経済的背景=…
続きを読む →フランスの週刊誌『シャルリー・エブド』などに掲載された風刺画をまとめた本が出版されたというので近所の書店を回ってみたら、どこも「うちには入荷していません」とのことでした。報道によれば、大手書店でも販売を自粛するところが大…
続きを読む →以前のコラムで「自己責任は自由の原理」だと書きました。自己責任論を否定するあまり、「国家には国民の生命を守る義務がある」といいたてると、国家は国民の自由を制限するにちがいない、と述べたのですが、案の定、シリアへの渡航を計…
続きを読む →クリシェはフランス語で「常套句」「決まり文句」のことです。面倒な問題を考えたくないときや、複雑な話をわかりやすく説明したいときにクリシェは多用されます。誰もが直感的に「なるほど」と思いますが、どこか胡散臭いのがクリシェの…
続きを読む →2人の日本人がISIS(イスラム国)の人質となり、殺害された事件でまたも「自己責任」論が沸騰しました。 2004年4月のイラク人質事件では、過激派に拘束されたボランティア活動家などが現地の危険をじゅうぶん認識しておらず、…
続きを読む →イスラームの創始者ムハンマドの風刺画をめぐって論争がつづいています。日本のメディアのあいだでも、「私はシャルリー」のカードを掲げて涙を流すムハンマドを描いた雑誌の表紙を掲載するかどうかで判断が分かれました。 掲載を控えた…
続きを読む →ムハンマドの風刺画を掲載したフランスの出版社シャルリー・エブドがイスラーム原理主義の過激組織アルカーイダの指示を受けたテロリストによって襲撃され、雑誌編集長や警官を含む12名が死亡した事件は世界じゅうに衝撃を与えました。…
続きを読む →昨年末に南アフリカのヨハネスブルグを訪れました。ここは「世界一危険な都市」として知られていますが、実際には一般の旅行者がトラブルに巻き込まれることはほとんどありません。これは治安がよくなったからではなく、(黒人以外の)旅…
続きを読む →「オッカムの剃刀」は14世紀の哲学者・神学者オッカムが用いた哲学の論法で、「より複雑な説明と、より簡潔な説明があった場合、後者を採用すべきだ」というものです。「単純な説明が常に真実である」ということではなく、経験的に、「…
続きを読む →安倍政権の特徴は好き嫌いがはっきり分かれることでしょう。「保守」「愛国」というイデオロギーを前面に押し出しているからで、自民党の福田政権や麻生政権、民主党の野田政権のような“無味無臭”とはかなり異なります。 欧米諸国もそ…
続きを読む →日本列島には5万年ほど前から縄文人が狩猟・採集をしながら暮らし、紀元前5世紀に朝鮮半島から弥生人が移住してきました。近年の遺伝学や分子生物学の急速な進歩によって墳墓などに残っていた古代人の人骨のDNA分析が可能になり、日…
続きを読む →ひとは誰でも、自分が世界の中心にいると思っています。映画や小説で「世界の終わり」が繰り返し描かれるのは、自分が死ねばこの世界もいっしょに消えてしまうからです。この臨場感は圧倒的なので、世の中にジコチューばかりが溢れるのは…
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