「教育格差」を憂えるひとたちの奇妙な論理

  • 親の所得には格差がある(裕福な親と貧乏な親がいる)。
  • 裕福な親は、子どもを私立学校に入れたり、塾や予備校に通わせる(教育に投資できる)。
  • 有名大学を卒業した子どもは、学歴社会(知識社会)でさらに豊かになる。

このようにして経済格差が拡大再生産されていく、というのが、教育格差→経済格差の定番の論理だ(これを「因果関係1」としよう)。

ところで、(これまでなんどか書いたように)行動遺伝学の標準的な理論では、知能(IQ)の70%は遺伝によって説明できるとされている(安藤寿康『心はどのように遺伝するか』)。

もしこれが正しいとすれば、次のような因果関係が成立することはすぐにわかる(こちらは「因果関係2」だ)。 続きを読む →

沖縄をタックスヘイヴンに(3)

ここでは、多くの反響があった「沖縄をタックスヘイヴンに」「沖縄をタックスヘイヴンに(2)」に関して、みなさまからいただいた疑問にこたえてみたいと思います。

(1)そもそもどうやって沖縄が自治権を獲得するのか?

これは当然の疑問ですが、沖縄のひとたちの総意として、米軍基地を受け入れることと引き換えに、日本政府に対して自治権を要求してみなければなにも始まりません。

沖縄県知事選で現職が再選されたものの、普天間基地問題はあいかわらず暗礁に乗り上げたままです。このままではなんの展望もないことは誰の目にも明らかですから、沖縄から具体的な妥協案が提示されたならば、日本国政府はそれを真剣に検討せざるを得ないでしょう。 続きを読む →

牛丼と革命―未来世界のマックジョブ

「お金と幸せの法則を教えましょう」で、マクドナルド化の進化した姿として、牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーを例に挙げた。

元革命家が経営するこの特異な会社の内実は、『日経ビジネス』9月20日号の「外食日本一ゼンショー 280円で仕掛ける“メガ盛り生産革命”」(飯泉梓)によって、はじめて一般に知られるようになった。すこし時間がたってしまったが、きわめて興味深い記事なので、その概略を紹介しておきたい(興味を持ったらぜひオリジナルの記事を読んでください)。 続きを読む →