アカデミズムという虚構 旧石器遺跡捏造事件 (『(日本人)』未公開原稿2)


新刊『(日本人)』の未公開原稿です。

原発事故責任を考えるうえで、日本の“アカデミズム”とはどのようなところなのか(日本で“学者”“専門家”と呼ばれるのはどのようなひとたちなのか)を示す格好のエピソードだと思いましたが、最終的に分量の関係でカットしました。その後の“ゴッドハンド”については、ほとんど知られていないと思います。

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2009年12月某日の夕刻、元文化庁主任文化財調査官・岡村道雄は東北のある駅に降り立った。そこで、10年ぶりにある男と再会するためである。

男は臙脂色のジャンパー姿で、土産を入れた紙袋を持って、駅の待合所に座っていた。すこし太って、白くなった髪を短く刈り、好々爺のような風貌だった。

男は岡村と対面すると、開口一番、「申し訳なかった」とテーブルに手をついて頭を下げた。

男の名前は藤村新一。かつてひとは、彼を「ゴッドハンド」と呼んだ。

人類の祖先たち

およそ700万年前、アフリカの熱帯森林地帯で、チンパンジーとヒトは別の進化の道を辿るようになった。直立二足歩行をしていた可能性のある最古の人類(猿人)は、アフリカ・チャドで発見されたサヘラントロプス・チャデンシスで、脳容量360~370cc、身長は105~120センチだった。

約400万年前、猿人(アウストラロピテクス)たちはまだ森林とサバンナを往復しながら暮らしていた。からだ全体が小さく、下肢に比べて腕が長いのは、樹上生活の適応と考えられている。

約250万年前、石器をつくった可能性のある最古の人類であるアウストラロピテクス・ガルヒがエチオピアで発見される。

現生人類と同じホモ族が登場するのは約200万年前で、その体型は現代人とほとんど変わらず、サバンナを長距離歩いて狩猟や採集を行なっていた。彼らのつくる石器はチョッパーと呼ばれ、左手に素材の石を持ち、右手でハンマーストーン(敲石)を叩きつけて鋭角をつくる素朴なものだった。

約180万年前のホモ・エルガスターやホモ・エレクトスになると、素材の石から大きな剥片を取り出し、それを加工するクリーパーという石器が現われる。彼らはその石器を持って、アフリカを超えて遠くアジアやヨーロッパの旧大陸全体へと移動していった。

60万年前頃になると、100回以上の打撃によって全面加工したハンドアックス(石斧)が登場する。彼らのつくる石器は多様性を増し、ひとつの素材から長さ数センチの三角形や長方形、円形などの道具をつくるまでになった。

百数十万年前とされるジャワ原人(ピテカントロプス)や、約60万年前の北京原人はホモ・エレクトスの亜種で、現生人類とは異なる系統と考えられている。

約20万年前、アフリカのどこかで私たちの祖先となるホモ・サピエンスが誕生した。10万年前になると、アフリカの洞窟遺跡で精巧な石器や骨角器が発見されるようになる。彼らのうちアフリカを出てヨーロッパに向かったのがクロマニヨン人で、先住者のネアンデルタール人(原人)が絶滅した後、唯一のヒトとなった。

彼らはかみそりのような鋭い刃を持つ石刃や、小さな石刃を木や骨の軸に埋め込んだ組み合わせ道具などを持ち、骨や牙で人間や動物の像をつくり、洞窟壁画を描き、象牙や貝殻製のビーズなどを副葬品とする埋葬を行なった。

ホモ・サピエンスは2万5000年前までには中央シベリア、1万4000年前までにはシベリア北東端にたどり付き、当時は陸続きだったベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸へと移動していった。

日本の考古学は、ホモ・エレクトス(原人)の時代を「前期旧石器時代」、ホモ・サピエンス(新人)の初期を「後期旧石器時代」と呼んでいる。日本を揺るがした前代未聞の「旧石器遺跡捏造事件」は、このふたつの旧石器時代をめぐる学閥争いが温床となった。

 遺恨の始まり

太古の日本は火山活動が激しく、生き物はほとんど棲息できなかったと考えられていた。日本にはじめてヒトが移住してきたのは約1万5000年前の縄文時代(新石器時代)で、日本には旧石器時代はないというのが長らく考古学会の定説とされていた。

だが1946年、民間の考古学者・相沢忠洋が群馬県で、約2万5000年前と見られる関東ローム層の露頭から石器を発見した。この「岩宿遺跡」は当初、学会から黙殺されていたが、49年、明治大学大学院生だった芹沢長介が相沢から槍先型石器を見せられ、同大助教授の杉原壮介がそれを旧石器と確認したことで、「日本考古学の最大の発見」と称されることになる。

だが杉原は、行商をしながら独学で考古学を研究していた相沢を発掘報告書でたんなる「調査の斡旋者」と扱い、「旧石器時代発見」の功績を独占した。それに反発した芹沢は、日本の考古学をリードしていた明治大学を去って東北大学に移ることになる。

このときから、考古学会における明治大学と東北大学の長い遺恨が始まった。

東北大学を拠点とした芹沢一派にとって、杉原に簒奪された後期旧石器時代の栄冠を取り戻すには、それを上回る超弩級の大発見である原人の痕跡を見つけるしかなかった。縄文時代とされていた大分県の遺跡を芹沢が再調査し、12万年から10万年前の原人の石器を発掘したと発表したものの、杉原がそれを偽石器(石が自然に割れて人工物のように見えるもの)と否定したこともあって、「日本に前期旧石器時代は存在するか」という前期旧石器存否論争は、杉原・芹沢というかつての師弟の私闘の様相を呈するまでになった。

1975年、東北大学文学部助手で芹沢の愛弟子だった岡村道雄は、宮城県内の考古学者やアマチュア研究家を集めた「石器文化談話会」を設立する。岡村の目的は、「談話会」を中心に東北地方の遺跡を調査・発掘し、前期旧石器時代の存在を証明する遺跡を発見して、師・芹沢の汚名をそそぐことだった。

このとき、「談話会」には一人の若い考古学愛好家が参加していた。それが藤村新一だ。

 「前期旧石器」の発見

宮城県仙台市の北、加美郡中新田町(現・加美町)に生まれた藤村新一は、後に毎日新聞のインタビューを受けて、「小学校二年の時、自宅の裏の畑で見つけた土器が約5000年前のものだと、教師に教わった。それから、太古へのロマンを夢見るようになった」と語っている。あるいは雑誌(月刊『現代』2000年11月号)に、「偶然にも、隣町の史跡・長根貝塚で中学生の時に縄文土器を拾い、喜びのあまりに学校の先生に見せた」(「私には50万年前の地形が見える」)とも書いている。いずれの記憶が正しいかはわからないが、子どもの頃から考古学に魅せられていたことはたしかなようだ。

仙台育英学園高校を卒業して地元の電気機器メーカーに就職した藤村は、22歳頃から、休日を返上して古川市や隣の岩出山町(ともに現・大崎市)などを自転車に乗って踏査し、石器を探すようになった。近辺を流れる江合川周辺には縄文時代の火山灰層が露出している崖面があり、そこから石器を抜き取ったりして、1年間で数百点の縄文石器を採集したという。

七四年、藤村は岩出山町座散乱木(ざざらぎ)の農道ちかくで縄文時代の遺物を採取し、これを地元の研究者のもとに持ち込んだ。その後の調査でこれが旧石器時代の重要な遺跡と判断されたため、東北大学の考古学を率いる芹沢は、当時27歳だった岡村を発掘の責任者として派遣する。こうして「談話会」が設立され、1976年から座散乱木遺跡の発掘が開始された。

座散乱木遺跡の第一次と第二次の発掘調査では、約1万年前に降下した火山灰層の最下層から縄文時代初期の石器や土器片が掘り出され、さらにその下層から旧石器時代の石器16点が見つかった。この成果に意を強くした岡村たちは座散乱木の発掘をさらに進め、ついに1980年4月20日、3万年以上前の古い地層からハンドアックスなど10点の石器を発見する。

この瞬間を、岡村は自著でこう回想する。

「私はこの重大な発見に立ち会い、背中に戦慄が走り、やがてこの光景を呆然と眺めて気が遠くなっていくようだった」

第一発見者は、藤村だった。

81年9月に再開された座散乱木遺跡第三次調査でも計46点の旧石器が発見され、全国から集まった約300人の研究者たちがその成果を祝福した。

84年、座散乱木よりもさらに古い地層からの石器発掘を目指して始まった馬場壇A遺跡(宮城県古川市)で、約12万年前の火山噴火で降り積もった軽石層のさらに下層から馬蹄形型に配置された二十数点の石器が発見された。岡村らがこれを顕微鏡で観察したところ、角や骨あるいは肉や皮を加工したときにつく磨耗や光沢が認められた。また発見場所を熱残留磁気測定したところ、約1割の石器に加熱を受けた跡があることがわかった。さらには、石器が集中する周辺の土からは、ナウマンゾウやオツノシカのものと思われる脂肪酸が検出された。

こうした調査結果をもとに岡村は、15万年から20万年前、原人たちがここで焚き火を囲み、大型動物を解体・調理していたと推定した。

岡村は発掘調査報告書で、「ここに前期旧石器論争は結着(ママ)した」と高らかに宣言した。

これら一連の石器も、藤村が掘り出すか、藤村が発掘現場に現われたときに発見されたものだった。

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45件のコメント

  1. いつのまにか、ネットだけがリアルに。現実だけがバーチャルに。誰も悪くない。

  2. そういえばゴミ投資家の本で、「実は魏志倭人伝自体が創作で邪馬台国自体が偽史だ」ということを紹介されていましたね。これと同じで、歴史ってじつはフィクションというかHiーstoryてことですよね。
    「歴史」ってのが「こうあってほしい」という願望の産物であるのは、洋の東西や時代を問わないものですな。アカデミズム自体はどうでもよいのですが、それをあて込んで村おこしの題材につかう自治体ってのがすこし物悲しくもあります。

    橘さんには、その編集者としての才覚を生かして、アカデミズムの仮面を明かす、こういう方面の本を出してほしいですよ。

  3. これは、考古学にあまり予算がつかなかった結果、
    小さな世界の住人がやりたい放題な状況が放置されてきたからに過ぎず、
    国家の筋骨たる科学技術を支える分野には無関係ですよ。

    ここを見てる皆さんも、正直言って古代史なんて飯の種にならないから
    勝手にやってれば?という気分でしょ?

    うちの部署でも、大学の先生と共同研究してるテーマがありますが
    教授殿が自己満足で仲間内の雑誌にだけ投稿し、
    国際誌に投稿しないなんて馬鹿なことはありえません。
    企業が資金を出すような、日本経済を支える研究を行い、
    それなりのお金を受け取っている研究チームは
    ちゃんとした研究をしてますよ。

  4. ゆうじさんは、いつも前向きで上昇志向ですね。ところで、「国家の筋骨たる科学技術・・・」へ質問させて下さい。「東電、原発、東大工学部等」はちゃんとした共同研究をして国家を支える分野なのでしょうか? 書き込みの少ない、まるでフロアーから質問のない学会状態になっているから・・・。もう一つ質問、「小さな世界の住人が・・」とのことですが、日本の理系であっても文系であっても、結局、学会ではある特定の人かグループが・・「やりたい放題」かは・・分からないけれど、似たような状態ではないかと。例えば、ゆうじさんのようなはっきりした部長がいれば
    その部は、部長の日本的なやりたい放題になりませんか? いかがでしょう? 

  5. ローカルでは学問は成立しないということ。
    考古学に限らず、海外(英語圏)で少なくとも論文を発表し、他者に検証される事が必要。
    それが出来ない(しない)のでは、単なる研究好きな公務員にすぎない。
    よって、何らかの研究書は必ず参考文献が日本語と英語での表記が必要で、どちらもネットで参照できなければならない。
    とか、考えたりしました。
    科学書の読者である私も、そんな点に気を付けなければならない。

  6. 一言と、ひとりごと さん:
    東大や東工大の原子力の先生方を皆知っているわけではありませんが、
    私の知る数名は立派な方々ですし、各々の専門分野の専門家です。

    じゃあ何でフクシマの事故対策に効果が無かったかというと、
    水漏れを止めるのはふつうプラント屋や配管屋がやることで、
    大学のセンセイにそれを求めるのは見当違いだからです。
    貴方の家が火事になったら燃焼工学のセンセイを呼びますか?ふつう消防署に電話しますよね。

    何々委員会なんてもんは、専門家のお墨付きをもらいましたよ、というポーズに過ぎません。
    左翼が言いがかりつけてきたときの対策用ですよ。

    >学会ではある特定の人かグループが・・
    まともな分野であれば、仲間内の慣れ合い誌は業績にならず、
    国際誌の投稿論文のみ評価されるという歯止めがあります。

    seichi65 さん:
    仰る通りですね。
    因みに、かつてブームになったマイナスイオンを煽ってた研究者連中は
    こうした検証を一切やらなかったことで有名ですね。
    大手家電さんも商品化していたので、ちょっと調子に乗りすぎだと思っていたら
    そのうち下火になりましたね。

  7. 競争が入り出すと村社会は壊れるのかね。

    性悪説にもとづいてシステムを組んでいった方が後から見ると得なのかな。

  8. 原子力の世界って、考古学よりずっと小さな世界では?

    学生数や教授数で比較したらさ。

    原子力の世界は、ものすごい人材難という噂も聞くけど。

    まあ、予算は桁違いかもしれないが。

  9. 福島第一原子力発電所も、遠い遠い未来に発掘調査の対象となるのかもしれない。

    「10万年以上前の古い地層から、原子力発電所の遺構発見! 爆発事故後、解体できずに放置か?」とかニュースになってたりして。

  10. R.K.T さん:
    橘さんは、考古学の世界の閉鎖性の例として国際誌に投稿しないことを挙げ、
    私は、原子力の世界は、国際誌に投稿せず仲間内のなれあい論文だけを研究業績に
    するような状況には無い、という趣旨で意見を書き、それに対して他の方々から
    意見があったという流れです。
    学生数や教授数で比較することに何の意味があるのでしょうか。
    議論の論点を変えるのなら、もう少し詳しい説明をお願いします。

  11. >小さな世界の住人がやりたい放題な状況が放置されてきたからに過ぎず、
    と、おっしゃったのは、ゆうじ殿では?
    むしろ、閉鎖性の例としては、批判的な研究者をムラから閉め出してきた
    原子力の方がひどいと思いますが。
    世界中の富をわけのわからないオカルトの世界につぎ込んでるのは大罪では?
    私は、原子力を科学だとは思いません。
    だって「爆発しないんです」って言っておきながら、爆発したってことは、仕組みが理解できていないのでしょ。情けないですね。

  12. それから、橘さんがわざわざ冒頭に

    >原発事故責任を考えるうえで、日本の“アカデミズム”とはどのようなところなのか
    >(日本で“学者”“専門家”と呼ばれるのはどのようなひとたちなのか)を示す格好の
    >エピソードだと思いましたが、最終的に分量の関係でカットしました。

    と前置きした上で、旧石器遺跡捏造事件の原稿を載せている意味をもう少し考えても良いのでは?

    考古学だけが特殊だと橘さんは言っていますかね。

  13. R.K.T さん:
    >だって「爆発しないんです」って言っておきながら、爆発したってことは、仕組みが理解できていないのでしょ。情けないですね。

    爆発の確率ゼロとは誰も言ってませんでしたよ。絶対とかゼロとは言わず、
    どちらとも取れる玉虫色のことを仰るのが学者殿です。
    委員会等でも「残余のリスク」と呼ばれています。この辺の経緯は、
    反原発側でテレビタレントになってしまった武田邦彦教授の著書に載ってます。

    なので、学者の世界が閉鎖的であってもなくても、委員会なんて無意味なセレモニーなんだから
    結果は変わらないんです。
    委員会は、建前がほしい役人側の要請で開かれるものなので、大学の先生に責は無いと思います。

    >それから、橘さんがわざわざ冒頭に
    失礼しました。この点は私の勘違いです。

  14. 斑目委員長は、菅前総理に対して、爆発しないと断言していました。決して玉虫色のことを言っていなかった。

    それから、誰だか忘れましたが、昔、高名な方が、「残念ながら、原発は爆発するようには、できていない。」と、これまた断言されていたと記憶します。

  15. 科学に捏造はつき物です。クーンのパラダイム論を持ち出すまでもなく、
    実験データのうち、それまでの理屈で説明できないところを巧妙にそぎ落としているのが実態です。

    逆に、新しい新理論が出てきて、実験データを見直すと、そぎ落としたデータの方が実は正しかったり
    します。

  16. 完全に安全な自動車というのが作れないのと同様、完全に安全な原発というのはありえません。
    私たちができるのは、それをどうやってトータルとして、リスクとベネフィットを天秤にかけて
    マネージメントしてゆくかだけなのです。

  17. >私たちができるのは、それをどうやってトータルとして、リスクとベネフィットを天秤にかけて
    >マネージメントしてゆくかだけなのです。

    それはその通りなのですが、一機のプラントが爆発しただけで、会社が倒産する状況にあり、
    それをどうやってマネージメントできるのか、具体的な案をお聞かせいただければと思います。

    税金で面倒を見るというのはやめて欲しい。

  18. >斑目委員長は、菅前総理に対して、爆発しないと断言していました。決して玉虫色のことを言っていなかった。

    それは何の爆発を指してのことでしょうか?
    いわゆる核爆発は起きませんでしたが。メルトスルー等による炉心由来の放射性物質の漏洩と、
    漏洩した水素の爆発がありましたが、炉心が核爆発するのかと聞かれれば
    核爆発の確率はほとんどゼロと答えると思います。

  19. >それはその通りなのですが、一機のプラントが爆発しただけで、会社が倒産する状況にあり、
    >それをどうやってマネージメントできるのか、具体的な案をお聞かせいただければと思います。
    会社の倒産は商法に基づいて行えばいいだけの話ですが、国家ないし地球的規模の話になれば
    一国の法律云々の話ではありません。
    たとえば原油価格が10倍になったとして、いまの石油依存の生活を続けられるわけではないでしょ。
    地球温暖化の話を聞かなくなって久しいですが、あれが一種の日本ほかの国々に対する
    政治的圧力だったにせよ、これからもどんどんCO2を出し続けてもよいという話ではないはずです。
    結局、エネルギー政策というのは、国際情勢を見据えた上で、原発を含めたエネルギーミックスのバランスというのが結論です。

  20. 国家というものの鈍重さをかんがえれば、なんでも国家にというのは、かつてのソ連になることに他なりません。とはいえ、原子力というものは核兵器への転用ができるからこそ発展してきたのであり、だからこそ安全保障上国家の関与は不可欠です。結論はこれも国家と企業とのバランスということになります。

  21.  横から入ります。
     RKTさんの言う「原子力を科学だとは思いません」に私も強く同意します。

     もしか、「量子力学とか素粒子は、自然科学ではない」と言われたら私には疑問符が灯ります。原子力は、委員会を持ち国家が関与しそして企業と大学も関与して・・膨大なお金が動いて当然、政治も絡み利権も絡み・・・。ここまで絡みながら、専門家ムラが出来て、地震で爆発したので原子力もしくは原発、これはもう応用科学とも言えないではないでしょうか?

     ゆうじさんの言うように大学のスタッフには責任はないと言い切れるのでしょうか。
    少なくとも、E=MC2を発見した方は、責任を表明していたはずです。

     

  22. 一言とひとりごと さん:
    アインシュタインが責任を表明していたのは核兵器に対してであって
    平和利用に伴う事故ではないですよね。
    核兵器は、「仕様通りに」動いたときに大量殺りくをもたらすから
    その仕様選定に少しでも携わった者としての責ということだと思います。
    仕様通りにならない場合のバグ潰しは製造者側の責任です。

    自動車事故で年間8000人以上が亡くなってますが、
    自動車関連の研究者に責があるとするのは無理筋なのと一緒です。

  23. >それは何の爆発を指してのことでしょうか?

    1号機の水素爆発前のやりとりです。

    菅前総理が「水素爆発はしないのか?」と聞いた際、
    班目委員長は「爆発はしません」と答えました。

    そして、爆発後、班目委員長が、頭を抱え「あーーー」とうなったという件です。

    この辺り、いろいろなメディアが取り上げていましたので、有名な話かと思いましたが。

    >結論はこれも国家と企業とのバランスということになります。

    これは、具体的に言うと、現在のいわゆる「国策民営」路線の継続ということで、
    よろしいのでしょうか?

  24. そもそも、東京電力株式会社が日本政府を訴えないのが根本的問題になると思います。

  25. 原発の工作員がさぁ、原発背定するならわかるんだけど、市井の人間が背定するのはちょっとどうかと思うねぇ。感情だけで反原発している人の方がまだ人としての良心を持ち合わせていると思うね。

    自動車の事故は許されても、原発の事故が許されないのはなぜかすらわからない脳みそ。。

  26. そもそも、自動車製造関連会社が日本政府を訴えないのが根本的な問題なのでは。
    国策という意味で。

  27. R.K.T さん:
    管総理がそうした重要事項を班目先生の勘違いで判断していたとしたら
    管総理の重過失ですね。聞く相手を間違ってます。
    私は班目先生の研究室を卒業した友人から、地震直後に
    「沸騰水炉は過熱すると伝熱悪くなるから厳しい状況だね。
    ジルカロイから水素が出てくると思うけど、水素は漏れやすいから
    漏洩が生じるかもしれないね。」と聞いてました。
    でも、班目先生のご専門は液面振動ですよね。水素漏洩とは無関係です。

    私のNo.7の書き込みの通り、
    >貴方の家が火事になったら燃焼工学のセンセイを呼びますか?ふつう消防署に電話しますよね。
    なのです。
    事故が終息した後に、プラント関係者等を集めて検討会を開き、
    その座長としてそこに座ってもらってればいいんで、
    学者の使い方を間違ってますね。市民運動上がりの左翼総理はこれだからダメダメですね。

    羊 さん:
    >自動車の事故は許されても、原発の事故が許されないのはなぜか
    小学校の図書館にあった「はだしのゲン」の影響だと思います。
    夏江姉ちゃんやゲンの彼女の印象は強烈ですからね。
    私は自分の死因は何でもいいけど、長生きできる確率を上げたいという考えなので、
    放射能アレルギーは理解しがたいですね。
    同様のアレルギーに、飛行機事故が怖いけど自家用車を運転するのは平気という方がいますね。
    自家用車運転で自分に責任の無いもらい事故に逢う確率のほうが高いんですが。

  28. 起こってしまった失敗に対し、責任追及のみに終始せず、(物理的・個人的な) 直接原因と (背景的・組織的な) 根幹原因を究明することが必要でしたね。

    政府事故調査委員会の継続的な調査・分析に期待しましょう。

  29. >管総理がそうした重要事項を班目先生の勘違いで判断していたとしたら
    >管総理の重過失ですね。聞く相手を間違ってます。

    内閣総理大臣が、原子力安全委員会の委員長に聞いているんです。
    どこが間違いですか?

    班目委員長は、ただの学者じゃなく、事業者を指導する役割を担う行政組織のトップです。
    非常に強い権限を持っています。当然、重い責任もあります。

    そのような重要人物の頭越しに、直接、別の誰かに聞くというのは、常識的にはありえない。

    ただ、原子力ムラには常識が通じないようですから、爆発後から総理は、学者らを参与として
    多数任用し、些末なことまで直接介入したのでしょう。
    (総理のやる仕事じゃない上に、組織として間違っているが、その必死の心情には同情します。)

    それから、班目委員長だって、わからないことはあって当然。

    しかし、わからないなら、わからないと正直に答え、わかる人間を直ちに連れてくるのが
    責任ある立場にいる人物の果たすべき役割でしょう。

    この一件だけで、委員長の椅子になんて、恥ずかしくて座ってられないはずですがね。
    でも、相当な「人材難」なんでしょう。いまだに彼が居座り続けてる。

    もし、総理大臣の過失があるとすれば、そんな「使えない奴」を委員長に任命したってことでしょう。
    (しかし、当時の総理は、鳩山由紀夫ですが。)

  30. 交通事故で死ぬことはリスクとして引き受けられるけど放射能に被曝して死ぬことはリスクとしては引き受けがたい、っていうのはやはり理屈を超えた感情的嫌悪?
    実際に人が死んでるのに誰も「自動車廃絶」と言わないのは何故だろう?
    サンデル教授ならこのように問いかけるかしら?

  31. ベネフィットが大きいからでは? 自動車の代わりになるものが無いし。事故も仕方ない。

    翻って原子力。発電方法は他にいくらでもあるから、原発の爆発は受け入れがたい。

    もっとも、石油枯渇恐怖症の方々には「火力発電」が受け入れがたいようですが。

  32. 石油の枯渇を心配する人が、なぜウランの枯渇を心配しないのかが不思議。

    核燃料サイクルの完成を本気で信じているのだろうか?

    高速増殖炉なんて、地熱発電の「高温岩体発電」より見込みが薄い気がする。

    さて、今晩は『マグマ』の第3話の放映日だなっと。
    (WOWOWだから見てる人少なそうだけど。)

  33. >それはその通りなのですが、一機のプラントが爆発しただけで、会社が倒産する状況に
    >あり、 それをどうやってマネージメントできるのか、具体的な案をお聞かせいただけれ
    >ばと思います。税金で面倒を見るというのはやめて欲しい

    これについては、橘さんが「(日本人)」の中で触れておられましたが、
    東電は天災による事故については本来、法的に免責されています。

    それは当たり前の話で、責任を負えないことにまで責任を負わすのならば、ひたすら
    「無責任状態」になる。

    だから、東電一社がマネージメントできないのは当たり前です。
    初めから万一の時には税金使う前提になってる。

    東電一社がマネジメントできないから、リスク、ベネフィットでリスクのみが過剰と
    考えるのは、合理的な判断ではなくて、単なる感覚的な感情論ではないですか?

    >
    >自動車の事故は許されても、原発の事故が許されないのはなぜかすらわからない。。
    >

    それがここにつながりますが、これは、単に人間はいつも合理的に判断できるとは
    限らないというだけの話。(感情に全然意味がないとは言わないが。)

  34. >
    >翻って原子力。発電方法は他にいくらでもあるから、原発の爆発は受け入れがたい。
    >

    結局ここに話が収れんしていくと思いますが、
    前に書いたように、発電方法自体がほかに幾らでもあっても、
    いずれも万全ではないから、原発技術を捨てる決断をして良い段階ではまだ無いのでは?
    というのが私の考え。

    >
    >石油の枯渇を心配する人が、なぜウランの枯渇を心配しないのかが不思議。
    >核燃料サイクルの完成を本気で信じているのだろうか?
    >

    高速増速炉はダメでも、TWRは見込みがかなりあるように見えます。

    また、前にも書いたけど、ウランの分だけオイルピークを先に伸ばせる。
    繰り返しますが、エネルギー問題に関して、時間稼ぎは極めて重要。

  35. >東電は天災による事故については本来、法的に免責されています。
    天災なら、女川も、東海第二も、福島第二もメルトダウンしてるのが自然。
    不思議ですね。「福島第一」だけ4機もプラントが爆発しちゃうなんて。
    しかも、4機ともそれぞれ別々の破壊のされ方してるし。
    天災だ天災だと言って、誰が納得するでしょうか?

    >高速増速炉はダメでも、TWRは見込みがかなりあるように見えます。

    Travering Wave Reactor(進行波炉)でしょうか?

    これは期待したいですね。
    (しかし、もんじゅと同じく、冷却材に「金属ナトリウム」を使うという恐怖仕様!)

    愛称は、、、やっぱり「しゃか」でしょうかね。

    新型転換炉「ふげん」
    高速増殖炉「もんじゅ」ときたら、
    進行波炉は、「しゃか」しかないでしょう!

    これで、「釈迦三尊」の完成!!!

    (しかし、「超」がつくほど罰当たりな命名だな。)

    >また、前にも書いたけど、ウランの分だけオイルピークを先に伸ばせる。
    >繰り返しますが、エネルギー問題に関して、時間稼ぎは極めて重要。

    わかりやすいたとえ話をしましょう。

    夏休みが40日あります。多くの人は毎年、ラスト1週間で宿題を全部片付けています。
    では、夏休みが60日になったとしたら、みんな宿題はいつ片付けるでしょうか?

    答えは、やはりラストの1週間。時間稼ぎに意味はない。

  36. >夏休みが40日あります。多くの人は毎年、ラスト1週間で宿題を全部片付けています。
    >では、夏休みが60日になったとしたら、みんな宿題はいつ片付けるでしょうか?

    これは、ちょっと。。。無理やりです。

    石油一つとっても、ピークがいつになるかは誰にもわかりません。
    夏休みのように、タイムリミットはわかならない。

    日々、研究者や企業がいろんなエネルギー源の研究進めて、実用化を目指してる。
    一日でも早く実用化すれば企業には利益が、研究者には名誉がもたらされる。

    例えばこれ。

    核融合炉
    http://www.asahi-net.or.jp/~rt6k-okn/fusion.htm

    核融合発電はもう夢物語ではない。中型火力発電所並みの試験炉が2019年
    フランスで完成予定。だが、実用化には試験炉完成後のさらなる実験、改良が必要。
    (核融合炉は、現在の原発のような放射能リスクはなしです。)

    時間稼ぎに意味ないですか?

  37. ちょっと横から。きっと大きな問題の一つは「組織と個人」「新たな発見と利用」それぞれの関係にあるのではないだろうか。「原子力は科学ではない」を解決する方法はどこに。
     以下は、引用です。
    「企業が組織されているのと同じやり方で科学を組織することによって原子科学の偉大な時代が保証されてしかるべきだとは信じない。人が組織を利用しうるのは、すでになされた発見を利用するためにであって、新しい発見をなすためではない。発見とは、自由な個人のみがなしうることなのである。」
    「原子エネルギーが長期間のうちには人類への贈物になるはずであるとは信じないので、それは脅威であるといわざるをえない」 Atomic War or peace 1945 Albert Einstein

    皆さんならその意味するところを理解されるのでは。さて、これをどう解決するのでしょう。

  38. >時間稼ぎに意味ないですか?
    夢を見るためには、時間が必要なのだ、というのは理解した。

    だけど、もし時間稼ぎをしたいなら、軽水炉の延命より、もっと現実的な方法がある。

    「老朽化した効率の悪い石油火力発電を、最新の天然ガスコンバインドサイクル発電に更新する。」

    原発の安全対策にかけるお金があれば、こちらの方が安上がり。

    しかし、別の「ムラ」にお金を落とすという選択肢など、そもそもないのかもねえ。

  39. 事故のシュミレーションしてみました。

    ①ふつうの自動車
    ②原子力自動車(実在はしません)

    事故後

    ①自動車をレッカー車で移動させて、道をきれいにすれば、以前と同じように道として使用できます。

    ②原子力自動車には放射能が高すぎて近づけず、とりあえず自動車の周りを囲い、放射能の飛散を防ぎます。自動車から核燃料を取り出し解体・搬出するには30年~40年かかります。しかし、事故の際の小爆発と雨の影響で放射能物質が拡散したため、その地域いったいのZ市民は強制移住することになりました。

    メリットデメリット
    ①原子力自動車は燃費はいいようでほとんど燃料の補給はいりません。ただし、自分の家の車庫で原子力事故が起きるか、運悪く自分の家の近くで他人の原子力自動車が事故を起こした場合、住居や不動産等の財産がなくなります。運が悪ければ命も失います。保険に入ろうにも、原子力自動車の保険はありません。

    ②ふつうの自動車は、事故が起きない前提の原子力自動車の維持費用に比べて割高ですが、事故が起きても自損事故であれば周りには迷惑をかけることもないですし、保険も入れますので、事故が起きてもお金がなくなったり財産がなくなることはありません。ただし事故の発生確率は高めです。

    さて、どちらの自動車に乗りますか。

  40. 自動車や火力発電は、排気ガスで間接的に殺してきた人数や、健康被害にあっている人の数も勘定に入れないとフェアじゃないね。

    なぜ福島だけが爆発したのか、というと明らかに人災でしょう。いろんな告発を読んでみると東電が災害に備える予算をケチッたせいだと分かる。つまり、事故原因は原子力技術そのものの問題ではない。
    日本の核技術を捨てるのはあまりにももったいないので、今後は、非常時に責任者が逃げ隠れできないように法と組織を再構築してから原発を再開してもらいたいです。

  41. >事故原因は原子力技術そのものの問題ではない。
    >日本の核技術を捨てるのはあまりにももったいないので、今後は、非常時に責任者が逃げ隠れ
    >できないように法と組織を再構築してから原発を再開してもらいたいです。

    しかし、東京電力はあのような運用をせざるを得ないでしょう。
    地震・火山・津波大国の日本において、経済的に原子力発電所を稼働させるには、仕方のないことですよ。

    でも、「福島第一」には免震重要棟がすでにありました。
    今、再稼働しようとしている「大飯」には、それすらありませんから、関西電力はもっと悲惨。

    あと、軽水炉の廃止=核技術を捨てる と考えるのは、短絡的な気もします。

    「法と組織の再構築」

    誰が、どんな風にやるんでしょう。ぜんぜん具体的なイメージがないけど。

    戦後の日本の原子力の歴史を振り返ってみて見ると、将来も、先は暗いとしか言いようがない。

  42. >自動車や火力発電は、排気ガスで間接的に殺してきた人数や、健康被害にあっている人の数も
    >勘定に入れないとフェアじゃないね。

    勘定できるものなら勘定してみて欲しいんだけど。
    因果関係の立証ができるのでしょうか?

    あと、過去の煤煙被害を、現在の放射能汚染と比較することに、どんな意味があるのかな?

    ちなみに死者の数なら、水力の方がすごい。

    たかが、8万キロワットの黒部川第三発電所は、工事で300人くらい死者を出してる。
    黒部川第四発電所(建設当時25万キロワット)は、170人くらい。

  43. 最近の日本人は精神性を小馬鹿にして
    合理性や論理性ばかりを優遇しているけど
    この事件でもその未熟な精神性が要らぬバイアスを生んで
    健全な科学の進歩発展を妨げていることが良く分かる

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