イスラーム原理主義より深刻な問題は「若い男」? 週刊プレイボーイ連載(304)


ヨーロッパでもっとも人気のある観光地のひとつバルセロナで、観光客ら15人が死亡、120人あまりが負傷するイスラーム過激派のテロが起きました。その後の捜査で、世界遺産サグラダ・ファミリア教会の爆破を計画していたこともわかり、世界じゅうに衝撃が広がっています。

実行犯グループはモロッコ国籍などのムスリムの若い男性12人で、イスラーム原理主義のイマーム(指導者)に洗脳され、ガスボンベを使った爆弾を製造していたとされています。そのイマームが実験中の爆発事故で死亡したため、捜査の手が及ぶのを恐れ、観光客であふれる歩行者天国に車で突っ込む凶行に及んだのです。

繰り返されるテロは「イスラームの問題」とされ、それがムスリムの反発を招き、双方が憎みあう悪循環に陥っています。

この隘路を抜けるには、白人主流派がムスリム移民への「暗黙の差別」を理解するとともに、ムスリムの側もイスラームの教義に「自由で民主的な市民社会」に反するものがあることを認める必要がありますが、これはどちらもきわめて困難です。しかしそうなると、ヨーロッパ社会はこれからもテロに耐えつづけなければならず、移民排斥の主張が勢いを増すのは避けられないでしょう。

ところであまり指摘されませんが、繰り返されるテロの実行犯にはもうひとつ共通点があります。それは犯人のなかに高齢者や若い女性がいることは稀で、ほぼ全員が「若い」「男性」だということです。いま起きているのは、高度化する知識社会から大量の「若い男」が脱落していることなのです。

すでにこれはアメリカで大問題になっていて、さまざまな調査で小学校から大学まですべての学年において女子は男子より成績がよく、2011年には男子生徒のSAT(大学進学適性試験)は過去40年で最低になり、成績表の最低点の70%を男子が占めました。女子生徒が生徒会や優等生協会、部活動などに積極的に参加する一方で、多くの男子生徒は停学や留年によってドロップアウトしていきます。そしてOECD(経済開発協力機構)によれば、これはアメリカだけでなく世界的な傾向なのです。

だとすれば、これは同じひとつの現象が、国や文化によって異なる現われ方をしているだけなのかもしれません。

社会に適応できない若い男性が「ひきこもる」のは日本社会に特有の現象とされてきましたが、いまや欧米でもオンラインゲームやオンラインポルノに耽溺する若者が急増し、“hikikomori”は英語になりました。アメリカでは、ドロップアウトした黒人の若者はギャングスターに憧れ、下っ端のドラッグディーラーになって人生の大半を刑務所で過ごします。それに対してヨーロッパでは、移民の二世、三世の「アラー世代」の若者たちが社会のなかに居場所を見つけられず、「神」と「正義」の名の下にテロリストに変貌していくのです。

確実なのは、知識社会が高度化するにつれて、ドロップアウトする「若い男」がますます増えていくことです。そしてもうひとつ確かなのは、この問題にどう対処すればいいかだれも知らないことです。

参考文献:フィリップ・ジンバルドー、ニキータ・クーロン『男子劣化社会』(晶文社)

『週刊プレイボーイ』2017年9月4日発売号 禁・無断転載

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イスラーム原理主義より深刻な問題は「若い男」? 週刊プレイボーイ連載(304) への4件のフィードバック

  • 尖沙咀 のコメント:

    >確実なのは、知識社会が高度化するにつれて、ドロップアウトする「若い男」がますます増えていくことです。
    >そしてもうひとつ確かなのは、この問題にどう対処すればいいかだれも知らないことです。

    だから、「若い男」がそもそも持つ、

    「リビドー」=「性的衝動」

    をどのように昇華させていくか???
    という問題に帰着するのです。

    かつて、日本では、このリビドーを
    受験勉強に昇華させることが
    ある程度可能であったからこそ
    社会が安定化していたのです。

    逆に言えば、そのリビドーが
    悪く昇華された事例が
    「スーパーフリー事件」
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E4%BA%8B%E4%BB%B6
    であるのです。

    なぜ一流大学の学生であった学生があんな事件を起こしたのか?
    といえば、
    「和田さん」なんか、なんども早稲田に入りなおしていますよね。

    結局のところ

    「性的衝動」だけが
    人間を突き動かす
    からです。

    イスラム教も同じで、
    フーリーは天国に来たイスラーム信者の男性のセックスの相手をするとされ、一人につき72人のフーリーが相手をするともいわれる。彼女たちは永遠の処女であり、セックスを行い処女膜が破れても、すぐさま再生するとされる。
    これが自爆テロを引き起こしているのはいうまでもないですな。

    やっぱり
    ジークムント・フロイトの言うところの、

    「性的衝動を発動させる力」とする解釈を
    当時心理学で使用されていた用語Libidoにあてた
    ことは正しいのです。

    いまこそフロイトを学び直すべきです。

  • 投資家 のコメント:

    ファンなので、黙って聞いてます。

    でも、
    その謎解きをしてくれるのは、、、
    ファンでしょうか???

    まあ、
    いつも二つの裏表がおんなじで、
    あえて書いてみますか??

    一 寄生してくれるならば、社会は
    共生社会を目指し非常に安定
    二 自由や独立には、既得権は黙って
    おけず、早めにつぶしすって

    まとめ、二流未満の飲み屋で飲めば
    一目瞭然!

    安倍さん、人手不足作ってくれたから
    変な店員が多い。

    おかげさんで、犯罪減ってるん

  • 匿名 のコメント:

    コーラン51節を読む限り、ムスリムの移民はもはやムスリムではない。

  • 尖沙咀 のコメント:

    コーラン51節

    http://japanese.irib.ir/programs/%E5%85%89%E3%81%AE%E5%BD%BC%E6%96%B9%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%97%85%E7%AB%8B%E3%81%A1/item/27240-%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E7%AC%AC5%E7%AB%A0-%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%80%E7%AB%A0-%E9%A3%9F%E5%8D%93-%E7%AC%AC51%E7%AF%80%EF%BD%9E%E7%AC%AC54%E7%AF%80

    によると、

    「信仰をよせた人々よ、ユダヤ教徒とキリスト教徒を、自らの保護者、仲間と見なしてはならない。彼らは、互いに仲間同士なのであって、あなた方の仲間ではない。あなた方のうち、彼らを自らの保護者と見なす者は、彼らと同類である。まことに、神が圧制的な部族を導くことはない」 (5:51)

    コーランの初めから、イスラム社会の政治的、社会的な問題について述べた数多くの節を目にしてきました。これは、コーランが、人間の生活を包括的に網羅しており、人間の現世と来世の幸福を満たすものであることを示しています。この節で、神は人間の生活における重要な原則のひとつに触れ、次のように語っています。「敬虔な者たちよ、不信心者たちを、自らの拠り所や保護者としてはならぬ。なぜなら、あなた方がいくら彼らに関心を示しても、彼らがあなた方に好意を寄せることはなく、自分たちの仲間のみを好むからだ」。この節は続けて、次のように語っています。「不信心者の保護を受け入れることは、どの程度のものであっても、その人を彼らと同じグループに属させ、不信心の土台を人間の中に生じさせる。それは自らと社会に対する最大の圧制である」

    第51節の教え

    ・イスラム諸国の外交政策、外国との関係において、イスラム教徒に対する不信心者の支配につながるような関係は、全て禁じられています。

    ・不信心者による統治を受け入れることにより、人間は神の統治から排除され、神の導きを奪われます。

    ・イスラム教徒以外の啓典の民と、平和的に共存することは、イスラムで推奨されている事柄です。反対に、支配を受け入れることは、禁じられています。

    ******************************************************
    だから、キリスト教とユダヤ教以外なら、間に入ることは可能なのです。
    日本こそがこの間に入って、「漁夫の利」を得るべきです!!!

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