ハイスペ女子はニートと恋に落ちるか? 週刊プレイボーイ連載(295) 


日本の人口が減っているのは出生率が下がっているからです。出生率が下がる理由は、若者が結婚しなくなったからでしょう。そしてこのことは、データからも明らかです。

生涯未婚率は、50歳時点でいちども結婚したことのないひとの割合を算出したものです。50歳で「生涯未婚」と決めつけるのはどうかと思いますが、人口統計上はそれで問題ないということなのでしょう。

2015年の国勢調査では、日本人の生涯未婚率は男性23.4%、女性14/1%で、前回(2010年)調査から男女とも3%以上も上昇して過去最高値です。しかし希望がないわけでもなく、年代別で見ると30代男性の未婚率は減少しています(30代前半の女性も未婚率がもっとも小幅な上昇)。

それでも全体の未婚率が上がるのは、20代と40代で結婚しないひとが増えつづけているからです。20代のうちは「もうちょっと仕事で頑張りたい」と思い、40歳の誕生日を迎えると「このままシングルでも悪くないか」と考えるようになる、というのはうなずくひとも多いでしょう。結婚は30代(女性は30代前半)が勝負なのです。

日本の若者が結婚しなくなったのは、「どうでもいい」と思っているからではありません。これも2015年の調査では、20代では男性の70%、女性の66%が「結婚すべき・結婚した方がいい」とこたえています。日本の若者は結婚したいと思っていても結婚できず、それが少子化につながっているのです。

だとしたら、問題は男女のマッチングがうまくいっていないことにあります。

総務省が2012年に調査した「産業別生涯未婚率」のデータがあります。これを見ると、どの業種でマッチングがうまくいっていないかがわかります。

驚愕するのは放送業のミスマッチで、テレビ局の女性正社員はなんと77%が生涯未婚です。次が「新聞・出版・映像制作・広告制作作業」で、正社員の女性の未婚率は50.1%と半分を超えています。マスコミで働く女性は結婚しないのです。

逆に未婚率が一ケタ台なのは、ほとんどが非正規の女性です。これは、収入や生活の安定が結婚への動機になっていることを示しています。マスコミの女性正社員は(相対的に)収入が多く仕事のやりがいもあるので、結婚にこだわらないのでしょう。

年収別の男女の生涯未婚率を見てもこのことは明らかで、女性の場合、収入が低いほど結婚する割合が高く、年収1000万円を超えると未婚率が一気に30%台まで上がります。男性の場合は逆に、収入が多いほど結婚するようになり、年収800万円以上で未婚率は一ケタ台ですが、年収200万円未満の男性の未婚率は3割を超えています。

こうしたデータから、男女のミスマッチの実態が見えてきます。それは高収入でバリバリ働く女性が自分に見合う高収入の男性を見つけられず(一般に男性は、自分より年収の低い女性を結婚相手に選びます)、低収入の男性が、生活の安定を求める女性から相手にされない、という問題なのです。

年収1000万円のハイスペ女子が、年収200万円のニートの男性と恋に落ちないかぎり、日本の少子化はつづくようです。

参考文献:荒川和久『超ソロ社会』(PHP新書)

『週刊プレイボーイ』2017年6月26日発売号 禁・無断転載

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ハイスペ女子はニートと恋に落ちるか? 週刊プレイボーイ連載(295)  への31件のフィードバック

  • 尖沙咀 のコメント:

    >ミスマッチを解消するにはハイスぺ男子はハイスぺ女子と、ロースペ男子はロースペ女子と結婚してもらう世界を作るしかないと思うのですがどうでしょう?

    非常に頭のいい女性は、自分より頭の悪い男性と結婚する。

    この話題をパーティーで持ち出して「どうしてかしら」と訊ねたら、かなり盛り上がってみんなに感謝されるにちがいない。多少は統計学を学んだ人でさえ、一足飛びに因果関係で説明しようとするはずだ。たとえば、「同じくらい頭のいい男と競争したくないからだ」とか、「頭のいい男は頭のいい女と比べられるのをいやがるので、頭の悪い男で妥協せざるを得ないからだ」等々。いやいや、ノリのいいパーティーなら、もっと突拍子もない説明が飛び出すことだろう。では今度は、次の文章を考えてみほしい。

    夫と妻の知能指数の間には、完全な相関関係は認められない。
    この文章は明らかに正しいが、少しもおもしろくない。そんなものに完全な相関を期待する人がいるだろうか。完全でないとしても、理由を考える気にもなるまい。だが、あなたが興味津々だった先ほどの文章と、このおもしろくない文章とは、数学的には同じことを言っている。
    (ダニエル カーネマン著「ファスト&スロー」)

    >いつも楽しく拝見させて頂いています。僕の思う解決法!それはズバリ橘さんの「言ってはいけない残酷すぎる真実」を国民全員に読んでもらう事です!!

    ネタ本がベストセラーになってしまった弊害がここにも現れています。

    橘さんは「言ってはいけない」というネタ本で

    人間も競走馬もかわらん
    大事なのは血統だ
    人間を構成するもっとも基本になるのは遺伝子
    その遺伝子をデザインしないで競争とかアホの所行
    なぜ日本は優生学をタブーにしたのか
    してなければ日本もっと豊かになってた

    と論じているのです。

    しかしながら、現在の
    文章を扱う能力及び数的論理能力だけに価値を置く社会
    (要するに学校の偏差値至上主義社会)

    が今後もずっと続いていくという保証はどこにもありません。

    価値観のパラダイムシフト、ようするに「下剋上」が起こった
    「戦国時代」「幕末から明治維新」「太平洋戦争終戦後の混乱時期」
    が今後も起こる可能性があり、その時の社会のダイナミズムが
    さまざまな変革を起こしてきたという歴史があるのです。

    (この時期を舞台とした小説や映画などが現在も作られているのは、
     この社会のダイナミズムこそが人を惹きつけるからに他なりません。)

    「力こそが正義!いい時代になったものだ 
    勝者は心おきなく好きなものを自分のものにできる!」

    南斗六聖拳の一人で愛に全てを懸ける宿命を背負う「殉星」の男:シン
    のセリフです。

  • かよ のコメント:

    キャリアを積んでいるハイスペ女子も恋愛はしています。問題は、その多くがハイスペ既婚男子との不倫で、結婚から出産に結びつかないことです。
    もし(例えばフランスのように)非婚母の出産と婚外子の子育てが社会的に容認されて各種サポートが充実し、さらに(例えばかつてのように)ハイスペ既婚男子の婚外子支援が社会的に容認され(もし可能ならさらに税制上の優遇も受けられ)れば、経済的に余裕のあるハイスペ非婚カップルから将来有望な子供が多く生まれることが期待できるかもしれません。

  • 尖沙咀 のコメント:

    >キャリアを積んでいるハイスペ女子も恋愛はしています。問題は、その多くがハイスペ既婚男子との不倫で、結婚から出産に結びつかないことです。

    高橋和巳の「我が心は石にあらず」という小説があります。

    我が心は石にあらず 高橋和巳コレクション (河出文庫) 高橋和巳 https://www.amazon.co.jp/dp/B00JOA4I8C/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_iaAxzbXHV3JGC

    ハイスペ既婚男子が理想を掲げて戦いを挑んだけど、
    その戦いの中で不倫関係にあったハイスペ女子を妊娠させて
    破滅するという話です。ぜひご一読を!!!

    まあ、この時代(いまから40年前)なら不倫関係にあった女性を妊娠させれば破滅したでしょうけど、
    いまならハイスペ女性ならシングルマザーでも生きていけるから、キョトンとするかもしれないけど。

  • 論屋 のコメント:

    優秀か否かなんて人間の能力程度でそう大した問題ではないので好きにしたらよろしいがな。しかしこれに便乗した新たな既得権益を築こうとする連中が出てきてます。
    >橘さんは「言ってはいけない」というネタ本で
    >大事なのは血統だ
    まさにネタ本がベストセラーになってしまった矛盾です。橘先生は「読まなくていい本の読書案内」では統計学の有用性を説いてますよ。

    “統計学の父”フランシス・ゴルトンは優秀性の遺伝を統計的に立証しようとして(世襲貴族にウケるから)、逆に「遺伝あんまり関係なくね?」という平均への回帰を発見しております。

    橘先生は進化論的な自然淘汰説がお好きとお見受けします。なら別に子孫が増えることにこだわらなくてもいいのでは?
    どんな優秀な人でも今後現れるAIより能力的に劣った存在なのですから。金持ち・貧乏、ハイスペ・ニートも分け隔てなく、等しくホモ・サピエンスは淘汰されるがよろしいかと存じます。

  • KJ のコメント:

    もうすこし人々に徳があれば自由に行動し、残り物をもらうような暮らしから労働の取り分を自ら得る世の中にできるのだが。今生では難しいだろう。

  • 尖沙咀 のコメント:

    雑誌や新書も含めた、「本」というのが

    「売ること」が主目的で、内容はどうでもよい

    という考え方には、どうしても与することはできません。

    「言ってはいけない」という本は、
    どう見ても「ネタ本」ですよ。

    たとえばフェニルケトン尿症などの
    知的障害があって、学習できないならともかく、
    勉強しない言い訳を肯定するだけになりがちです。

    Kazuki Fujisawa‏ @kazu_fujisawa

    模試で偏差値の高い子供と低い子供で一番の違いは何か? 親の年収? 遺伝的な資質? 驚くことだがこれらは小さな影響しかないことがわかっている。圧倒的に大きな違いを生むのは、勉強時間だ。

  • あs のコメント:

    正社員は寿退社して子供生んだ後
    派遣になるんじゃないかと

  • 尖沙咀 のコメント:

    そもそも、遺伝子決定論を論じているのに、

    「男脳」と「女脳」の
    非対称性

    について、全く理解していない、

    「ハイスペ女子はニートと恋に落ちるか?」
    (ニート男性よ、ヒモを目指せ!)

    とかを書いてしまうことが噴飯ものなのです。

    そもそも、男と女の役割は交換可能でない
    (産むことは女性しかできない)のに、

    ハイスペ女子がニートのツバメをヒモ化
    すれば問題解決するとか失笑モノですよ。

  • 大森 のコメント:

    高収入女子が低収入男子と結婚しないのは「男はかわいくないから」という説がある。
    女子が養ってもらえるようにかわいい方向に進化したのに対し男子はそういう方向に
    進化しなかった。だから養ってもらえない。
    ここを解決するためには「かわいい男子」の養成に社会が取り組むのはどうだろう。
    かわいくて家事がこなせる男子。そういうのが増えれば高収入女子の食指が動くかも。
    女子にとっての「かわいい男子」とは何かについても検討の余地あり。
    そこにある種の雄々しさも含まれてるかもしれない。

  • 尖沙咀 のコメント:

    >ここを解決するためには「かわいい男子」の養成に社会が取り組むのはどうだろう。
    >かわいくて家事がこなせる男子。そういうのが増えれば高収入女子の食指が動くかも。

    女性は(男性でも?)小さい子どもや、自分より年下の若い子(いわゆるジャニーズ系)が
    可愛く感じるときもありますが、成長すると可愛くなくなります。

    このことは、1000年前に書かれた枕草子に書かれています。
    *************************************
    うつくしきもの、瓜にかきたるちごの顔。雀の子の、ねず鳴きするに踊り来る。
    (中略)
    葵のいと小さき。何も何も、小さきものは、みなうつくし。
    *************************************

    逆に成長して可愛くなくなったら、
    ピーターパンよろしく、

    大人になったら殺しますか???

    結局のところ、男性脳と女性脳の明確な違いがあるにもかかわらず、

    安易に
    「男女雇用機会均等法」
    を実施してしまったことこそが、
    少子化の原因なのです。

    遺伝学や脳科学を理解した上で

    法律制定なり政策実施しないと
    社会に混乱をもたらすという事例なのです。

  • 山田 のコメント:

    離婚できる時間を最短にすればいい。
    どちらかが離婚を希望すれば、即離婚成立。
    一夫一婦制のもとでも、ハイスペ男子は何十人の女性と結婚し、何十人の子ども
    を作れば、少子化問題も解決する。

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