『臆病者のための裁判入門』発売のお知らせ


このたび文春新書から『臆病者のための裁判入門』を刊行いたしました。『臆病者のための株入門』の続編という位置付けですが、今回は裁判(本人訴訟)体験記です。

裁判といっても、私が原告となって訴訟を起こしたわけではありません。まったくの偶然から知人と大手損保会社のトラブルに巻き込まれ、代理人(補佐人)として、民事調停から高裁まで民事裁判のフルコースをやってみることになった、という話です。

ところで、弁護士資格を持っていない私がなぜ裁判に関わることができたのか? ここが話のポイントなのですが、じつは当事者はオーストラリア人で、私は通訳兼代理人として、本人訴訟のすべての過程に同席するという得がたい体験をすることができました(簡易裁判所では法廷内に入り、地裁と高裁では和解に場に同席しました)。

この本で扱うのは、損害額は些少(本書のケースでは12万円)だが過失としては重大な(相手側の損保会社は「保険会社としてあってはならないこと」と謝罪した)ケースです。日本の司法制度では、こうした少額の民事訴訟は弁護士に相手にされず(法テラスに相談に行っても断わられます)、本人訴訟で司法の判断を仰ぐしかないのですが、本人訴訟は裁判所でものすごく嫌われる、というのが現状です。

とりわけ、外国人の本人訴訟などというのは裁判所としては「あってはならないこと」で、その混乱から裁判所をたらい回しにされ、異例中の異例な扱いになっていくあたりは、楽しんで読んでいただけるのではないかと思います。

後半は、私の体験をもとに、少額の紛争に巻き込まれたときなにができるかをまとめてみました。

Amazonでご予約いただくと、19日(明後日)には発送されます。全国の書店の店頭に並ぶのは週末ですが、東京都内の大手書店なら明日には店頭にあるかもしれません。

書店で見かけたら、手にとってみていただければ幸いです。

 橘 玲

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5件のコメント

  1. 裁判の原告になったことがありますが、民事裁判というのは、「法的に権利関係を明確化し確定する」だけであって、たとえば「払わない」相手から実際に回収するのはほとんど不可能です。
    相手が公的機関や会社組織であれば回収は可能ですが、そうでない場合少額訴訟で勝ったからといって回収できるかどうかはまた別問題です。

    この次は「臆病者のための債権回収入門」をお願いします。

  2. アメリカ人の主人が小さな交通事故にかかわった時、保険会社はちっとも本人の話を聞いてくれずに、困ったことがあります。私は司法通訳にかかわっているけれど、主人の立場で話をするわけにもいかず、小額訴訟にまで発展しました。きょうたまたま見つけた橘さんのブログですが、早速、本を注文しました。勉強するのが楽しみです。

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